TadaoYamaokaの開発日記

個人開発しているスマホアプリや将棋AIの開発ネタを中心に書いていきます。

2022-05-01から1ヶ月間の記事一覧

世界コンピュータ将棋選手権でのMulti Ponderのヒット率

先日の世界コンピュータ将棋選手権で、dlshogiはMulti Ponderを実装していた。相手番で相手局面を探索するStochastic Ponderという手法と組み合わせることで、追加コストゼロで候補手をN手取得できるため、Multi PonderはMCTSと相性がよいクラスタリング手法…

将棋AIの実験ノート:Fixup Initialization 続き

以前にBatch Normalizationを使用しないFixup Initializationを試したことがある。その際、Leela Chess Zeroでは、Batch Normalizationの統計情報に関連する問題が報告されていることに言及した。 Pawn promotion issues in T40 · Issue #784 · LeelaChessZe…

cshogiをGitHub ActionsでビルドしてPyPIに公開する

Pythonの将棋ライブラリcshogiをPyPIで公開しているが、PyPIに公開するまでの手順が多いため、GitHub Actionsを使って自動化を行った。 前提 cshogiは、CythonとC++を使用しているため、ビルドが必要になる。 WindowsではVisual Studioが必要になる。 Linux…

gMLPを試す

ほぼ個人メモです。画像認識のモデルで、畳み込みを使わずMLPのみ同等の精度が出せるというMLP Mixerの発展形であるgMLPを試してみた。 gMLP チャネル方向と、空間方向に分けてMLPを適用する構成は、MLP Mixerと同じだが、Spatial Gating Unit (SGU)という仕…

優勝決定戦について

第32回世界コンピュータ将棋選手権決勝の優勝決定戦について、dlshogi側の評価値は以下のようになっていました。112手目まではほぼ互角と判断していました。 114手目くらいから徐々に先手優勢になって、逆転となった166手目の手前では、評価値-720でした。 …

第32回世界コンピュータ将棋選手権 結果報告

5/3~5/5に開催された第32回世界コンピュータ将棋選手権に参加しました。HEROZチームとして、「dlshogi with HEROZ」というプログラム名でエントリしました。 大会の概要 世界コンピュータ将棋選手権は、1990年より毎年開催されている歴史のあるコンピュータ…