TadaoYamaokaの開発日記

個人開発しているスマホアプリや将棋AIの開発ネタを中心に書いていきます。

「GCT電竜」とdlshogi(NVIDIA GPU非搭載PC対応版)の公開

「GCT電竜」とdlshogi(NVIDIA GPU非搭載PC対応版)を公開します。

ダウンロード

Release 世界将棋AI 電竜戦バージョン(「GCT電竜」同梱) · TadaoYamaoka/DeepLearningShogi · GitHub

NVIDIA GPUに対応したTensorRT版と、NVIDIA GPU非搭載のWindows PCでも動作するOnnxRuntime版を含みます。

世界将棋AI 電竜戦で優勝した「GCT電竜」のモデルを含みます。
(GCTのモデルの開発者は加納さんです。配布は私の方で一本化して欲しいという意向です。)

OnnxRuntime版について

Windows 10 version 1903以降のPCであれば実行可能です。
ただし、探索速度は、TensorRT版にくらべて落ちます。

NVIDIA GeForce 2080Tiの場合、初期局面の探索速度に、以下の差があります。

バージョン NPS
OnnxRuntime版 5715
TensorRT版 41280

約7.2倍の差があります。

最高のパフォーマンスを出すには、TensorRT版をTensorCore搭載のNVIDIAGPU(NVIDIA GeForce 2080Tiなど)で動かすことを推奨します。

検討での使用

ShogiGUIの検討機能で使うには、一部対応できていない機能があります。
「深さ」の指定はできません。
候補手の数は、現状1手のみです。
時間無制限でも、UCT_NodeLimitで設定したノード数に達すると探索を終了します。

MultiPV対応は、Qhapaqさんからのプルリクエストをもらっているので、後日対応予定です。

検討では、設定でDNN_Batch_Sizeを256など大きめにした方がNPSが上がります。