TadaoYamaokaの開発日記

個人開発しているスマホアプリや将棋AIの開発ネタを中心に書いていきます。

wxWidgetsをVisual Studio 2019でビルドする

マルチプラットフォームGUIツールキットであるwxWidgetsVisual Studio 2019でビルドする方法についてです。
ほぼ自分用のメモです。

ダウンロード

公式ページから最新のソースをダウンロードする。
ダウンロードしたソースを適当なフォルダに解凍する。

ビルド

build\msw\wx_vc16.slnをVisual Studio 2019で開く。
ビルドの構成を「DLL Debug」※「x64」にして、ソリューションのビルドを実行する。
デバッグランタイムを使用する場合

サンプルプログラムのビルド

公式のProgramming Guidesの「Hello World Example」をビルドする。

プロジェクト作成

Visual Studioの新規プロジェクト作成でWindowsデスクトップウィザードを選択し、アプリケーションの種類を「デスクトップアプリケーション (.exe)」にして、空のプロジェクトを作成する。

プロジェクトの設定
  • ビルド構成

ビルド構成を「Debug」「x64」に設定する。

プロジェクトのプロパティで、構成プロパティ→VC++ ディレクトリを選択し、
インクルードディレクトリに「..\wxWidgets\include;..\wxWidgets\lib\vc_x64_dll\mswud;」※を追加する。
wxWidgetsを作成したプロジェクトと同じ階層に、wxWidgetsというフォルダ名で解凍した場合
※別のフォルダに解凍した場合はそのフォルダを指定する
ライブラリディレクトリに「..\wxWidgets\lib\vc_x64_dll;」を追加する。

構成プロパティ→C/C++プリプロセッサを選択し、
プリプロセッサの定義に「__WXMSW__;WXUSINGDLL;」を追加する。

  • リンクライブラリ追加

構成プロパティ→リンカー→入力を選択し、
追加の依存ファイルに「wxbase31ud.lib;wxmsw31ud_core.lib;」を追加する。

ソース作成

適当な名前でソースを追加し、Hello World Exampleの内容を記述する。

ビルド

ソリューションのビルドを実行する。

実行

そのまま実行すると、wxWidgetsのDLLが見つからないためエラーになる。
環境変数PATHに「C:\src\wxWidgets\lib\vc_x64_dll」※を追加する。
※ソースを「C:\src\wxWidgets」に展開した場合

成功すればウィンドウが表示される。
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