以前に、R4000以上でのdlshogiの思考時間と強さの関係について調べた。
今回は、低レーティング帯で、dlshogiの探索ノード数と強さの関係について調査した。
調査方法
floodgateに、探索ノード数を変えて放流し、レーティングを調べた。
基本はバッチサイズ1、スレッド1で、探索ノード数が4096以上では、思考時間が3秒くらいになるようにバッチサイズを増やした。
比較のために、水匠5でもノード数を変えてレーティングを調査した。
水匠5も基本はスレッド1で、ノード数が12.8Mの場合だけ思考時間が3秒くらいになるようにスレッドを8にした。
結果
dlshogi
name | nodes | nodes比対数 | rate | rate差 | nodes2倍あたり |
---|---|---|---|---|---|
dlshogi_pre17_p32768_b16th1 | 32768 | 3 | 3925 | 263 | 88 |
dlshogi_pre17_p4096_b2th1 | 4096 | 3 | 3662 | 292 | 97 |
dlshogi_pre17_p512_b1th1 | 512 | 3 | 3370 | 301 | 100 |
dlshogi_pre17_p64_b1th1 | 64 | 4 | 3069 | 513 | 128 |
dlshogi_pre17_p4_b1th1 | 4 | 2 | 2556 | 595 | 298 |
dlshogi_pre17_p1_b1th1 | 1 | 1961 |
水匠5
name | nodes | nodes比対数 | rate | rate差 | nodes2倍あたり |
---|---|---|---|---|---|
suisho5_nodes12800k_th8 | 12800000 | 3 | 3818 | 308 | 103 |
suisho5_nodes1600k_th1 | 1600000 | 3 | 3510 | 342 | 114 |
suisho5_nodes200k_th1 | 200000 | 3 | 3168 | 466 | 155 |
suisho5_nodes25k_th1 | 25000 | 2.6 | 2702 | 576 | 218 |
suisho5_nodes4k_th1 | 4000 | 3.3 | 2126 | 855 | 257 |
suisho5_nodes400_th1 | 400 | 1271 |
考察
dlshogiも水匠5も、レーティングが低い方が、探索ノード数を倍にした際のレーティングの伸びが大きい。
dlshogiと水匠5では、水匠5の方がノード数を倍にした際の伸びが少し高い。
これは、前回の調査と同じ傾向である。
まとめ
低レーティング帯での探索ノード数と強さの関係について調査した。
調査の結果、レーティングが高くなるほど、レーティング差あたりの必要な探索数が増えることがわかった。
これは、レーティングの上昇に対して、必要な探索ノード数は指数的に増えていくことを示している。
dlshogiと水匠5では、水匠5の方がノード数を倍にした際の伸びが少し高いことがわかった。
しかし、レーティングが上がるほど、その差は少なくなる。
わずかな探索速度を伸ばす努力よりもモデルの精度を上げる方に注力すべきなのかもしれない。