TadaoYamaokaの開発日記

個人開発しているスマホアプリや将棋AIの開発ネタを中心に書いていきます。

麻雀AI

麻雀AIを深層強化学習で作る その11(学習処理)

前回、自己対局で特徴量を作成する処理を実装した。今回は、自己対局で生成したデータを読み込んで学習する処理を実装した。 データ読み込み 自己対局プログラムでzlibで圧縮したデータをPythonのzlibで解凍し、Numpyのndarrayとして読み込む。 C++の構造体…

麻雀AIを深層強化学習で作る その10(自己対局で特徴量記録)

電竜戦があったりで先月は麻雀AIの開発に手を付けられれず、前回から1か月近く空いてしまったが、麻雀AIの開発を再開したい。 自己対局で特徴量記録 前回、自己対局で牌譜を生成するところまで実装した。 自己対局で生成した牌譜を元に、Learnerで特徴量を生…

麻雀AIを深層強化学習で作る その9(自己対局)

前回は、牌譜の記録/再生処理を実装した。 今回は、自己対局で牌譜を生成する処理を実装する。 処理方式 強化学習のアルゴリズムにPPOを使用予定で、PPOはオンポリシーのアルゴリズムのため、 現在のモデルで牌譜生成 現在のモデルで生成した牌譜でモデルを…

麻雀AIを深層強化学習で作る その8(牌譜の記録/再生)

強化学習実装の準備として、牌譜の記録/再生を実装した。PPOでは、エピソードの終端の報酬を、GAEで各ステップの状態に割り当てるため、エピソードの各ステップの状態を再生できるように記録しておく必要がある。 また、ランダムな初期局面からの対局を再生…

麻雀AIを深層強化学習で作る その7(初期局面からランダムプレイ)

前回作成した初期局面生成処理で生成した初期局面から、ランダムにプレイしても和了できるか確認を行った。深層強化学習ではモデルが初期値の状態ではランダムに近いため、ランダムでもある程度和了できると学習の効率的に学習できる。 初期局面からランダム…

麻雀AIを深層強化学習で作る その6(初期局面生成)

以前に考察した通り、強化学習でゼロから麻雀AIを学習する場合、偶然和了した際の報酬のみで役を学習するのは困難と考える。 そこで、ランダムに選択した役のN向聴の状態からゲームを開始して、補助タスクとして和了した役も学習させることにする。今回は、N…

麻雀AIを深層強化学習で作る その5(役の手牌をランダム生成)

N向聴の初期局面を生成するための準備として、特定の役で和了した手牌をランダムに生成する機能をcmajiangに実装した。 二盃口の手牌を生成する例 random_erbeikou() 和了の手牌を生成する処理 役ごとの制約を満たしながら、刻子もしくは順子をランダムに選…

麻雀AIを深層強化学習で作る その4(特徴量作成とモデル実装)

前回までは麻雀AIの作成方針を書いたが、今回から実装に着手する。 まずは、特徴量作成とモデル実装を行った。 特徴量作成 以前に検討した通り、入力特徴量は複数チャンネルの9×4の画像で構成する。特徴量作成をPythonで実装すると遅いため、C++で実装してpy…

麻雀AIを深層強化学習で作る その3(初期局面と補助タスク)

麻雀の役は14枚の牌を組み合わせて作る必要があるため、初期値のモデルからはじめて偶然役ができる確率は極めて低い。 人間が麻雀を覚える際もまずは役の形を覚えて、それを目指して手牌をそろえていく。 知識ゼロから偶然和了した場合の報酬のみで役を覚え…

麻雀AIを深層強化学習で作る その2(特徴量設計)

前回はこれから作成する麻雀AIの方針を立てた。 今回は、麻雀AIの特徴量を検討する。 方針 畳み込みニューラルネットワーク 麻雀の牌は、萬子、筒子、索子、字牌の4種類で構成されており、萬子、筒子、索子は1~9の数字を持っている。 面子は、順子は隣合っ…

麻雀AIを深層強化学習で作る

Pythonの麻雀ライブラリができたので、麻雀AIの開発を試そうと思う。深層強化学習を使ってゼロから強い麻雀AIを作ること目標にしたい。 先行研究 日本ルールのリーチ麻雀で、強化学習を使用して成功している麻雀AIには、テンセントが開発した「LuckyJ」があ…

Pythonの麻雀ライブラリを作る その2

前回作成したPythonの麻雀ライブラリ「cmajiang」に、手牌をSVG画像で表示する機能を追加した。Jupyterノートブックで、 from cmajiang import * Shoupai("m340p123z1z1,s340-,z2222") のようにすると、このようにSVG画像が表示される。 牌の画像 牌の画像は…

Pythonの麻雀ライブラリを作る

以前より不完全情報のボードゲームで強化学習のアルゴリズムを試したいと思ってる。 簡単すぎるゲームやマイナーなゲームでは、開発のモチベーションが続かない気がするので、日本で人気のある麻雀AIを開発したいと考えている。麻雀は、「Lucky J」や「Suphx…