TadaoYamaokaの開発日記

個人開発しているスマホアプリや将棋AIの開発ネタを中心に書いていきます。

第6回電竜戦TSEC指定局面と香落ち戦 結果報告

今週末の6/28に開催された第6回電竜戦TSEC指定局面と香落ち戦に参加しました。
今大会は、指定局面戦と、香落ち戦の2部構成となっていました。
前年までは、賞金も少なく将棋AI開発者のお祭り的なイベントでしたが、今回大会は賞金が上がり、本戦と同じくらいの格付けになりました。

結果

dlshogiは、指定局面戦で準優勝、香落ち戦で3位という結果でした。

指定局面戦は、優勝した氷彗とは最終12回戦裏まで同点で最後、氷彗が勝ち、dlshogiが負けで、氷彗が優勝となりました。
氷彗とは、3回直接対局が行われており、3.6:2.4でdlshogiが勝ち越しています。

3位とは、2.2勝差があり、直接対局で潰しあっていることを考慮すると、3位以下とは大きく差があったと思われます。

トピック

2回表で読み抜けで逆転負け

2回表☗Phonanza-☖dlshogiで、評価値でプラス2208から、読み抜けがあり、逆転負けした対局がありました。

後から検討したところ、1500万ノードほど読むと、5九角打が最善でないことに気づくようでしたが、5九角打の後の7三銀打で先手が良くなることにすぐには気づかなかったようです。
終盤のモデル精度をさらに改善する必要があると感じました。

氷彗の強さ

氷彗が電竜戦本戦の時以上に強くなっていると感じました。
他のNNUE系を大きく引き離していると思います。

今大会の結果からも、他のNNUE系は、定跡で角換わりの終盤になると強いですが、それ以外ではdlshogiに及んでいないことがわかります。
氷彗は、独自の部分で強くなっているのも含め、dlshogiの最新モデルから知識蒸留もされているため、角換わり以外の戦型でも非常に強くなっていました。

dlshogiも氷彗との対局で、dlshogiの評価誤りを見つけて、モデル改善に役立てているので、相乗効果で氷彗とdlshogiの2強状態はしばらく続くかもしれません。

氷彗との直接対局

上記で書いた通り、氷彗とは3回直接対局しています。
5回裏☗氷彗-☖dlshogiでは、95手目で氷彗が評価値308で、dlshogiが-485と評価が分かれる局面からdlshogiが勝っています。
これは、終盤はNNUE系が正しいとも言えないことを示しています。
当然、その逆もあります。

万能なAIはなく、複数のソフトで検討することが有用ということを示しています。

また、dlshogiは、定跡を自動作成していますが、このことを考慮して、定跡の末端の局面では、dlshogiとNNUE系の評価が一致するまで延長しています。

まとめ

第6回電竜戦TSEC指定局面と香落ち戦の結果についてdlshogiの視点から書きました。
定跡準備による勝ちがない分、氷彗とdlshogiの強さが表れた大会だったと思います。

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最後に、大会を運営してくださった主催者様、対局してくださったチームの方々、そして応援してくださった皆様にお礼申し上げます。