TadaoYamaokaの開発日記

個人開発しているスマホアプリや将棋AIの開発ネタを中心に書いていきます。

dlshogiにおける思考時間と強さの関係 更新

先日記事にしたdlshogiにおける思考時間と強さの関係について、思考時間8秒、16秒の結果と、水匠2のスレッド数を8にした場合の結果が測定できたので記事にする。

測定条件は前回と同じである。

dlshogi vs 水匠2(1000万ノード固定)の測定結果

思考時間(秒) 勝ち 引き分け 勝率 R
1 87 9 36.6% -95.44
2 132 7 54.2% 29.25
3 158 3 63.8% 98.44
4 165 2 66.4% 118.33
8 175 6 71.2% 157.24
16 197 6 80.0% 240.82

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水匠2(8スレッド) vs 水匠2(1000万ノード固定)の測定結果

思考時間(秒) 勝ち 引き分け 勝率 R
1 54 19 0.254 -187.16
2 88 33 0.418 -57.50
3 119 33 0.542 29.25
4 184 24 0.784 223.94
8 203 15 0.842 290.66
16 218 20 0.912 406.20

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思考時間に対するレーティングの伸び比較

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dlshogiの方が思考時間が短い場合に強く、水匠2の方が思考時間を延ばした場合のレーティングの伸びが良い。
AlphaZeroの論文の通りであれば、dlshogiの方が思考時間に対してレーティングの伸びが良いはずだが、異なる傾向になった。

ただし、水匠2は同一ソフトなので勝ちやすいということもあるかもしれないので、別の機会にdlshogiのノード固定に対する測定も追試したい。